ワールドカップと都議会と

こんばんわ

サッカー日本代表の第2戦目、ギリシャ戦は
残念ながら引き分け!
ディベートの場合、引き分けなら否定側の勝利というルールがあるけど、
スポーツには肯定否定もないのよね・・・・・・
どんなに有利に試合を進めても、「得点」という結果がすべて。
終戦ににわずかなのぞみがあるから、そこに期待しましょう!!

週末に話題となっていたのが
都議会での「セクハラ野次発言」ね。
いわゆる議会での野次は、いまに始まったことではないみたいだけど、
女性蔑視発言はあってはならないこと。

新人の女性議員を、議論の土俵にあげるつもりがないように見える。
当事者にとっては当たり前の野次でも、
一般の国民や海外メディアには通用しないのよ。

ディベートの素晴らしいところは
時間制限の間で、発言者にすべての権利があるところ。
もちろん「野次」はないし、
尋問パート」において、質問にたいしてまったく関係ない答えをされたりはぐらかされたりしたら、
答えを遮って次の質問にいくことができる。

そんな権利もあるけど、
相手の発言にたいして反論しなかった場合、
その発言は認められてしまう。「沈黙は同意を示す」という原則がある。
すべては自分でコントロールしなくてはならないのね。


都議会での野次は、
今後の女性の社会進出にむけてあってはならない行為として
発言者を探す動きになっている。
当事者は軽い気持ちでいったかもしれないけど、
その「思考回路」を変えなければいけないとすれば、
都知事をはじめとした都議会全体が重症ということもいえるわ。


今回、W杯サッカーとこの都議会の問題で
得られた教訓として、ふたつあると思う。
ひとつは、
いままで当たり前にまかり通っていたことを変える
勇気や行動力を持たなければならないこと。
「いままでそうしてきたから」「他人や上司がやってるから」と流されては、
なにも発展性はない。

もうひとつは、
議論を自分でコントロールする気持ちの強さとタイミング。
もちろん、ディベートではその場でやらなければ議論を優位に進めることはできないし、
日常の会議や商談でも、後から「ああいっていけばよかった」というのでは
遅いことがほとんど。
事前準備も大事だけど、そのときに行動できるかどうかにかかっている。


サッカーの試合でも、あとで反省してもはじまらない。
監督の采配も大事だけど、選手の判断と行動力にかかっている。
人間に備わった知識や体力などとちがうところで求められるチカラなのね。


それでは また

BY ひろ☆たかさわ

初戦を制する者は

こんばんわ

サッカーワールドカップ、日本の初戦は残念だったわね!!

あたしはサッカーは専門家ではないけど、
ひとりの日本人としては、逆転負けで後味わるかったし・・・・・
でもいろいろな報道や試合分析をみると
チカラの差があったし、
試合を終始支配していたのは相手のコートジボワールだった。
シュート数は7本対20本。ボール支配率は42%対58%。

コートジボワールにしてみたら、
完全に支配していたのに、リードされて前半を終わった。
後半、36歳のエース、ドログバの投入で一気に流れを変えた。
日本は、その神といわれる存在感にやられた。

ディベートでは、
最初のパートである「立論」でその試合の流れをきめ、
尋問で流れを引き寄せる。
ここで劣勢になると、逆転は難しい。
まして、選手交代はできない。

でも、どんな試合でも最後まで続くのよ。
後半の闘いももちろん大事ね。

まずは、最後まで「パトス」をきらないこと。
「絶対勝とう、いいものを見せよう、なにかを伝えよう」 この情熱を保ち続けること。
そして、「ロゴス」では、自分の論を守り、伸ばし、そしてしっかり相手の弱点をつく。
劣勢だった議論を盛り返すことも可能。それをわかりやすく整理して伝えることで
ジャッジの印象も変わる。すべては第三者であるジャッジが勝敗を決めるのがディベート
最後に、「エートス」。劣勢でもたじろがない存在感。
この試合を背負っているという思いが、そして論題をしっかり考察し準備をしたという自信が、そこににじみ出る。

だから、ディベート最終弁論までわからない。
掲げた哲学を終始一貫して通すことができれば、前半の劣勢を跳ね返せるチャンスは十分にあるのよ。

後半に逆転された日本。
パトスは最後まで十分だったのか?
選手交代を含めた戦略は正しかったのか?
なぜドログバの存在感にやられたのか?
リーダーシップは長谷部だけに頼っていないか?「反省は大会後でよい」というけど、
そこは振り返って、次の試合で同じ轍を踏まないでほしい。
もちろん、切り替えて次のギリシャ戦は力を出し切ってほしいわね!!

それでは また

BY ひろ☆たかさわ

2014/06/16

ワールドカップにおもうこと。

こんばんわ

いよいよ来週末からサッカーのワールドカップが始まるのね。
日本代表チームも最後の調整にはいり、
サポーターたちも異常なる盛り上がりをみせているわ。

よくFIFAワールドカップというけど
FIFAというのは「国際サッカー連盟」のことなんだそう。

今回で20回目の記念大会。
1930年にはじまった歴史のある大会であり、
テレビ視聴者ではオリンピックを上回る人気を誇る。

サッカーに興味がないひとにとってはどうでもいいことかもしれないけど
1993年にJリーグが発足し、
1998年に日本が初出場して以来、5大会連続5回目の出場。
国民的行事にもなっている。

日本国民としては、大いに盛り上がって欲しいし、
日本もベストを尽くして決勝トーナメントまで戦ってほしい。
そのチカラもあると思う。
でもいろいろな問題もでてきているので
ブラジルにキャストを移して見てみるわ。

ブラジルでは2016年にオリンピックも開催される。
サッカーW杯と五輪を併せた経済効果は
ブラジルスポーツ省の試算によると、1550億ドル(日本円で約7兆円)
ブラジルの実質GDPの13%に相当する。
試算の信憑性の検証は必要だけど、経済効果は見込めるわ。

一方で、
人口約2億人、面積851万?という日本よりもスケールの大きな国だが、
新興国という位置づけで、貧富の差が激しく、
先進国の経済状況に左右されやすい。
BRICSといわれ、新興国成長の代表として投資対象にもなっていたけど、
リーマンショックで約3割の株価の下落を経験してからは、
アメリカの経済引き締めや、中国の経済失速の影響をうけて
なかなか立ち直れないでいる。


ブラジル国民にとっては経済効果を期待しての地元開催はメリットであるけど、
目の前のこうした貧困や格差に対応せずに競技場の建設に資金を投入し、
教育や医療を放置しているのであれば
国民の不満は高まるでしょうね。
世界の危険都市ランキングの上位30位のなかに、
ブラジルが10都市も入っているそう。
強盗などの犯罪が横行しているけど、そんな国の状況を示している。
ブラジルの世論調査では、42%がW杯開催に反対しているのね。


サッカー王国のブラジル。競技場の建設も難航しているみたいだけど、
かつて携帯電話事業を普及させるためにBMマンも滞在していた国だけに、
安全に大会を運営して成功させてくれることを祈るわ。

B21 地球の歩き方 ブラジル ベネズエラ 2016~2017

B21 地球の歩き方 ブラジル ベネズエラ 2016~2017

オリンピック招致に成功し、
カジノ合法化などで海外からの旅行客を観光立国を目指す日本だけど、
それなりの経済基盤や治安が維持できているからできるのね。

日本の初戦は6月15日。現地へ応援にいくサポーターのかたは
外務省からの注意をよくみて気をつけて行ってきてね!!


それでは また

BY ひろ☆たかさわ

2014/06/09

弁証法をつかうこと。

こんばんわ

激しい暑さに見舞われた週末だったけど、
みなさんいかがお過ごしかしら?
東京では
使えるディベートセミナー」第11シーズンが終わって
7名の卒業生を出した。

使えるディベートセミナー
では、
最終日にすべてのディベート実践プログラムが終わったあと、
弁証法」について学ぶ。

ディベートは、肯定否定か?白か黒か?を
ジャッジが判定して勝敗を決めることになっている。
だけど、どちらかに決められればよいけど、
物事はそう簡単にはいかない。なぜなら、相手があることが多いから。
ひとつの問題にはさまざまなキャスト(登場人物)が存在し、
多くの利害関係がある。
ここで、「弁証法」の考え方が出てくるのね。

使える 弁証法

使える 弁証法

太田龍樹の著書「話し方にもっと自身がつく100の法則」(中経出版
法則22「うまくいかないときは思考を両極端にふる」では、
ひとりディベートをして、両方の立場にたってみながら考えてみることで解決策をさぐることが書かれている。
ディベートとは、両極端を知ることで、両方の良い部分を吸収しようという前向きな思考。」
法則87では、この両極端の「対立」や「矛盾」こそがより高い段階の認識に至ると書かれてる。
これが「弁証法」の基本なのね。
話し方にもっと自信がつく100の法則

話し方にもっと自信がつく100の法則

「相手を受ける」ことがディベートのルールであり、
それがすなわちコミュニケーションにおいても「おもてなし精神」の基本になる。
そして、最終決定においても
相手の議論を切り捨てるのではなく、
逆に取り込んで、よりよい解決法を目指すことができる。



北朝鮮拉致問題について再調査を約束した。
日朝平壌宣言から12年。今度こそ動き出すのでしょうか。
自民党の石破幹事長は「だまされるなどという、いい加減なことを我々日本政府はしない。
ぎりぎりの交渉のなかで、なんとしても拉致問題を解決したい。
私どもは、妥協をしたりすることはあり得ません。」と、述べている。

拉致被害者の返還を、
経済制裁の解除にむけての北朝鮮外交カードに使われてはたまらない。
ただ、日本もそうは言ってられず、一日も早い全員の帰国を求めたい。
この問題が弁証法に通じるかはわからないけど、
妥協や折衷案ではよいものが産まれないというのが弁証法の理念。
お互いの言い分を主張しあうだけでなく
いままでの歴史の清算、あらたなる未来へむけて
より高い議論をしてほしいと願うばかりね。

弁証法はどういう科学か (講談社現代新書)

弁証法はどういう科学か (講談社現代新書)

それでは また

BY ひろ☆たかさわ

日本代表におもうこと。

こんばんわ

この週末は、スポーツの明るい話題が
またいくつか入ってきたわ。
W杯メンバーが発表されたサッカー男子に引き続き、
女子、なでしこジャパンも中国に競り勝ってW杯出場を決めた。
安定した力と、接戦をものにする勝負強さが際立っていたわね。

25日には
ラグビー日本代表も、アジア大会に優勝して
来年イングランドで行われるW杯出場を決めた。


サッカー日本代表のメンバーは23名
全員日本人。うち23名は海外で活躍する。
もちろん、なでしこジャパンも全員日本人。

なでしこジャパン 2018年カレンダー

なでしこジャパン 2018年カレンダー

一方で、ラグビー日本代表
25日の香港戦では、先発メンバー15名のうち5名が外国人選手。

ラグビーのW杯が1987年に創設されて以来
8大会すべてに出場している。
アジアでは最強であるが、世界との壁はなかなか縮まらない。
いままで出場したW杯で、予選リーグでもわずか1勝しかできず、
強豪国には大敗続き。

でも、2019年に日本でW杯開催が決定していることもあり、
日本代表には、エディージョーンズを招聘して強化している。
昨年は、ウェールズ代表にも勝利して徐々に力をつけ始めているわ。

この、外国人選手についてどう考えるか?
賛否両論があり、むしろ批判の声が強いように感じるわ。
ただ、これも歴史や背景があり、
感覚で捉えてはいえない問題でもあるのよ。


キャストをわれわれ日本人(観客・ファン)とすると
「日本代表なんだから、日本人だけで闘えよ」という声が多いのは当然。
でも、とにかく強くなってほしいという悲痛の声もあるでしょう。

社会人トップリーグにNZや豪州で活躍した選手が入ってきて
日本全体がレベルアップしているのも事実なのよね。

ラグビー日本代表になれる外国人の条件は
・出生地が日本
・両親、祖父母のうち一人が日本出身
・日本で3年以上、継続して居住している
このいずれかを満たしていればよいのだそう。
つまり、他のスポーツより垣根が低い。でも、これは日本に限ったことではない。

サッカーは、日本に「帰化」することが代表の条件。
だから、ラモスやサントスのような帰化した選手以外は
W杯にでていない。
ラグビーは、どこの国でも国籍主義をとらないため、
どこの国でも代表をめざすことができる。
「所属主義」がとられている。


キャストを「世界のラグビー界」へ移してみると、
1987年のW杯までは、
ラグビー発祥のイギリス圏と、南半球のNZ、豪州、南アフリカ
分断されており、
東南アジアや欧州、北米などもばらばらであった。
現在W杯が4年に一度開催されるようになり
世界がやっとひとつになったと言える。

そして、
国籍をこえてひとつの代表チームをつくるという
独特の文化がラグビーにはある。
国の威信をかけて・・・とするならば
やっぱり、日本人だけで代表チームを作るべき?


キャストを、日本代表選手自身にスポットをあててみる。
かつて日本代表監督をつとめた平尾誠二氏は、
その賛否両論や国籍のデリケートな一面を理解した上で、
「すごいプレーをする選手が目の前にいる。卓越したプレーをする選手が目の前にいる。
それがたまたま外国人選手だっただけ。もちろん日本人選手だってすごいプレーをする。」と述べている。

友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」

友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」

日本人以上に真摯にラグビーに取り組み、文化を受け入れ、
日本ラグビーに地位を向上させようという外国人選手の姿がそこにある。
3年間努力したうえで、一流のプレーヤーが「日本人に成りきって」闘う。
これもひとつのスポーツの姿ではないかと。
その影で、日本代表になれない日本人もいるでしょう。
ただ、このナショナリズムをこえて、ラグビーノーサイド精神が示す
この外国人代表選出の考え方は、受け入れても良いのではないかしら。


大相撲では、モンゴル出身の白鵬が29回目の優勝。
横綱大鵬の32回へ近づきつつある。
ラグビー以上に日本の文化や品格を体に染み付かせ、
偉大なる横綱として土俵にたつその白鵬の姿に、もう「外国人横綱」などとはいえないわ。

勝ち抜く力

勝ち抜く力

だから、ラグビー日本代表を、温かい目で、そして厳しい目で見守っていきましょう!!
国境をこえてともに闘う、同じ人間同士(同志)として・・・・・・


それでは また

BY ひろ☆たかさわ

2014/05/26

こんばんわ

この週末は、スポーツの明るい話題が
またいくつか入ってきたわ。
W杯メンバーが発表されたサッカー男子に引き続き、
女子、なでしこジャパンも中国に競り勝ってW杯出場を決めた。
安定した力と、接戦をものにする勝負強さが際立っていたわね。

25日には
ラグビー日本代表も、アジア大会に優勝して
来年イングランドで行われるW杯出場を決めた。


サッカー日本代表のメンバーは23名
全員日本人。うち23名は海外で活躍する。
もちろん、なでしこジャパンも全員日本人。

なでしこジャパン 2018年カレンダー

なでしこジャパン 2018年カレンダー

一方で、ラグビー日本代表
25日の香港戦では、先発メンバー15名のうち5名が外国人選手。

ラグビーのW杯が1987年に創設されて以来
8大会すべてに出場している。
アジアでは最強であるが、世界との壁はなかなか縮まらない。
いままで出場したW杯で、予選リーグでもわずか1勝しかできず、
強豪国には大敗続き。

でも、2019年に日本でW杯開催が決定していることもあり、
日本代表には、エディージョーンズを招聘して強化している。
昨年は、ウェールズ代表にも勝利して徐々に力をつけ始めているわ。

この、外国人選手についてどう考えるか?
賛否両論があり、むしろ批判の声が強いように感じるわ。
ただ、これも歴史や背景があり、
感覚で捉えてはいえない問題でもあるのよ。


キャストをわれわれ日本人(観客・ファン)とすると
「日本代表なんだから、日本人だけで闘えよ」という声が多いのは当然。
でも、とにかく強くなってほしいという悲痛の声もあるでしょう。

社会人トップリーグにNZや豪州で活躍した選手が入ってきて
日本全体がレベルアップしているのも事実なのよね。

ラグビー日本代表になれる外国人の条件は
・出生地が日本
・両親、祖父母のうち一人が日本出身
・日本で3年以上、継続して居住している
このいずれかを満たしていればよいのだそう。
つまり、他のスポーツより垣根が低い。でも、これは日本に限ったことではない。

サッカーは、日本に「帰化」することが代表の条件。
だから、ラモスやサントスのような帰化した選手以外は
W杯にでていない。
ラグビーは、どこの国でも国籍主義をとらないため、
どこの国でも代表をめざすことができる。
「所属主義」がとられている。


キャストを「世界のラグビー界」へ移してみると、
1987年のW杯までは、
ラグビー発祥のイギリス圏と、南半球のNZ、豪州、南アフリカ
分断されており、
東南アジアや欧州、北米などもばらばらであった。
現在W杯が4年に一度開催されるようになり
世界がやっとひとつになったと言える。

そして、
国籍をこえてひとつの代表チームをつくるという
独特の文化がラグビーにはある。
国の威信をかけて・・・とするならば
やっぱり、日本人だけで代表チームを作るべき?


キャストを、日本代表選手自身にスポットをあててみる。
かつて日本代表監督をつとめた平尾誠二氏は、
その賛否両論や国籍のデリケートな一面を理解した上で、
「すごいプレーをする選手が目の前にいる。卓越したプレーをする選手が目の前にいる。
それがたまたま外国人選手だっただけ。もちろん日本人選手だってすごいプレーをする。」と述べている。

友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」

友情 平尾誠二と山中伸弥「最後の一年」

日本人以上に真摯にラグビーに取り組み、文化を受け入れ、
日本ラグビーに地位を向上させようという外国人選手の姿がそこにある。
3年間努力したうえで、一流のプレーヤーが「日本人に成りきって」闘う。
これもひとつのスポーツの姿ではないかと。
その影で、日本代表になれない日本人もいるでしょう。
ただ、このナショナリズムをこえて、ラグビーノーサイド精神が示す
この外国人代表選出の考え方は、受け入れても良いのではないかしら。


大相撲では、モンゴル出身の白鵬が29回目の優勝。
横綱大鵬の32回へ近づきつつある。
ラグビー以上に日本の文化や品格を体に染み付かせ、
偉大なる横綱として土俵にたつその白鵬の姿に、もう「外国人横綱」などとはいえないわ。

勝ち抜く力

勝ち抜く力

だから、ラグビー日本代表を、温かい目で、そして厳しい目で見守っていきましょう!!
国境をこえてともに闘う、同じ人間同士(同志)として・・・・・・


それでは また

BY ひろ☆たかさわ

2014/05/26

角川とドワンゴと

こんばんわ

覚せい剤事件が世間を驚かせた週末だったけど、
今回はこのニュースに注目してみるわ。

5月14日(水)に
角川(KADOKAWA)とドワンゴ経営統合が発表された。
いずれも東証1部上場の企業。

ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち

ニコニコ哲学 川上量生の胸のうち

このまえ、BMディベーターが出場した
ニコニコ動画を運営するドワンゴだから、
このニュースが新聞のトップ記事にきて驚いたわね!!


「クールジャパン戦略」って、ご存知かしら・・・・・・
日本を涼しくしよう!ってわけじゃなのよ。
日本政府(経済産業省)が、戦略産業分野である日本の文化・産業の世界進出を促進させ、国内外への発信をしていこうというもの。
とくに日本の得意分野であるアニメやゲームなどのコンテンツ産業を海外に発信していこうという政策なのよね。日本は諸外国に対してまだまだ遅れているみたい。

だから、政府としてもこの統合は歓迎なのよね。

このニュースをみて
ディベート的に3つの観点で考えてみた。

まず、会社の合併って、相手を受け入れること。
KADOKAWA角川歴彦(つぐひこ)会長が
ドワンゴ川上量生(のぶお)会長に惚れ込んで口説き落としたみたい。
単純に自分の利益だけを考えるのではなく、
Googleなどとちがった日本流のコンテンツ発信を目指そうという哲学がある。
両者トップの根底に流れるものは奥深い。
あとは、なんといっても現場の従業員や実際につくる人間たちが
本当の意味で融合できるかが、統合の難しいところ。
「自分たちが正しい」というよりも、柔軟に受け入れる懐の深さが必要ね。

つぎに、あたしたちが常々考えなければいけないのは、
既存の概念を打ち破り、時代の流れに乗って行かなければならないこと。
会社の経営者は、そのことを忘れてはならない。
古き良き伝統文化ももちろん大事。失ってはならないものもあるし、
守るべきものもたくさんある。

ドワンゴの川上会長はこう言っている。
「ネット時代になって、これまでのビジネスモデル、コンテンツが成り立たなくなっている。
5年後、10年後はCDも本も売れなくなり始めている可能性が高い。
ビジネスモデルは変えなきゃいけない。変化の波はネットから起こっている。
ネットで始まった新しいコンテンツの出口について『解答』を出すのはネットのプレーヤーの義務だ。
その方向性を示せなければネット企業を名乗る資格はないと思う」

BMも、ファウンダー・理事の太田龍樹
ディベート」というコンテンツを
コミュニケーションにおける基本的な考え方や要素がつまっているものとして、
世に送り出した。
ディベートは相手を打ち負かすための道具」という世間の発想を変え、
相手を受け入れ、おもてなしをし、その上でわかりやく伝えるという概念をとりいれた。
『エンターテインメント』、つまり第三者を意識してのディベート
日本で初めて提唱したといえる。

10年後を見通せる力が、経営トップに試されているのね。


最後に、
よく、リアル書店とネット書店の
メリットデメリットを比較したりするのだけど、
今回は、まさのその二つがつながって、
さらに良いものをつくろうとしてるところに注目したい。

ドワンゴは、1997年に設立の新鋭企業。
ネット配信で評価が高く
4000万人の会員をもつと言われる。
一方、KADOKAWAは、1945年に出版社として創業した老舗。
1976年には映画制作に進出するなど
早くから書籍以外を手がける「メディアミックス」を展開してきた。

メリットデメリットを比較して
良い方だけを選択するのではなく、
お互いのよいものをとりいれて、あるいは相反する両者が徹底的に議論して、
さらによいものを作っていくのが
ディベートの考え方の真骨頂。

この4000万人の会員をもつニコニコ動画に、角川のもつコンテンツをのせれば
なにか未来が拓けてきそうな気もするわね。
お互いの会社の成長や従業員の幸せだけでなく、
この話は、「日本の産業や文化の世界進出」という大きなテーマがある。
そういう意味で、とても楽しみね。


それでは また

BY ひろ☆たかさわ

2014/05/19

「ひとの命」におもうこと。

こんばんわ

サラリーマンのみなさんも今月からクールビズ
いよいよ暑さも本格化しそうね。
満員電車も熱気をおびてくるわ。


その電車のことで、こんな
データがある。
鉄道での自殺が平成24年631件で前年比30件増えたそう。
国土交通省
データ
「ホームドア」がホームと線路の壁としてだいぶ普及しているが、
自殺を抑える決定打にはなっていない。
ひとの命の重さを考えてみたい。

年間3万人いた自殺者は、
内閣府
データによると、
平成24年には27,858人と3万人をきったものの、
依然として自ら死を選ぶひとがあとをたたないわ。

自殺予防 (岩波新書)

自殺予防 (岩波新書)

以前コラムで書いた袴田事件での冤罪問題、
死刑制度の廃止議論をふたたび呼び起こす。
ひとの命に「国家」が手をくだすことの是非はもちろん、
自白を強要されるケースが、
2年前のパソコン遠隔操作問題でもおこっている。
捜査の可視化が検討されているけど、無罪のひとがいまだに自白しちゃうって
本当にこの問題を語る以前のことよね。


また、先日『ニコニコ超会議』のディベートで採り上げられた
安楽死問題」について。
いくら本人の意思であっても、ひとの命に医師が手をくだすことが
許されるのかを、
この問題は、患者の基本的人権や尊厳とともに問う。
死刑制度問題とは逆に、命を絶つことを認めようとする問題。
終末期で余命わずかな患者が
苦しみもがいていて、他に手段がなくなれば
本人の意思に基づき、医師が患者に安楽死させることを認めるもの。

生命倫理の問題は、
生殖技術や脳死の問題も含めて、
範囲が広く、専門性が高い。

このような「ひとの命」をディベートで扱ってみると、
ひとつの問題にぶつかる。
それは、
肯定
否定の論を比較するときに
単に「
メリット
デメリットで比べていいかどうか?」ということ。

専門家が、科学的に正しいと判断する。その研究成果を発表する。
あるいは、経済合理性の面から実行すべきだという。
また、遺族の感情を考える。
さまざまな
キャストがでてきて、それぞれに
価値判断の基準がちがう。
それを、知識のない第三者
ジャッジ)が
比較して判断することは、
限られたディベートの時間のなかでは難しい。
だからこそ、それをいかに伝えるかを考え表現する、
ディベートこそが、最高の勉強の形でもある。


だから、現実社会では今でも簡単に答えがでないのよね。
国によって文化も宗教も違うし、すでにある法律の解釈も考慮すると、
ますます複雑になるわ。


ただ、この生命の問題でも
「ひとの命を絶つ」ということは、その絶たれた命については
そこですべてが終わってしまうということ。
この事実は変えられないのよね。
これを機会に、自殺問題や死刑・安楽死の是非、
脳死判断や遺伝子治療の問題も
深く考えてなくては・・・・・・


ちょっと重たい話になってしまったけど、
必死に病と闘い、目の前の難題にぶつかり、
それでも「生きよう!!」と走り続けているひとのためにも、
持てる命の重さをかみしめながら・・・・・・・


それでは また

BY ひろ☆たかさわ

2014/05/12