森本リュウの一撃一冊 第壱回

新企画 森本リュウの一撃一冊 ―BMマンがこよなく愛した本たち―
栄えある第壱回は、『日本語の練習問題』・出口汪サンマーク出版

日本語の練習問題

日本語の練習問題

国語という科目は、センスの科目。
そう思っている人は今でも多いかもしれない。

理事の太田龍樹も、受験生時代、そう思っていたそうだ。
しかし、ある一冊の本に出会って、その考え方は一変する。

出口の驚異の現代文読解法』

出口の驚異の現代文読解法 (代々木ゼミ方式)

出口の驚異の現代文読解法 (代々木ゼミ方式)

当時、代々木ゼミナールの予備校講師だった出口汪(ひろし・現在、弊社理事長)の衝撃的参考書。

その後も、太田は大学受験ラジオ講座(通称・ラ講、太田が聞いていたのは文化放送ということ)で出口の講義を聴き、現代文の成績がミルミル上昇したそうだ。

出口が『驚異の現代文読解法』から一貫して言っていることが、今日紹介する『日本語の練習問題』で体系的に書かれている。

国語はセンスだと思っている人や、出口の読解法を学ばなかった大人こそ、この本は読むべきだと思う。

太田のような出口マニアだった人間にとってみれば、復習の意味合いとともに、新たなる発見があるという。

それは、自分が出口先生を通して学んだことは、「日本語」の基礎だったということ。
「国語」、「現代文」という言葉ではぼかされてしまうこの本質に今触れても新鮮だ、という。

その「日本語」を勉強したからこそ、ビジネスでの様々な局面、口で話し合うディベートや執筆活動にも間違いなくよい影響を及ぼした、ともいう。

私が印象に残った項目を列挙すると、

・人は言葉に「復讐」されている
・「謙譲語」を使える人は美しい
・「いただく・くださる」で距離をつくる
・「愛している」はどうすれば、より伝わるのか?
・三十一文字で「限りない感情」を表現する
・人間で最も優れた五感「嗅覚」を表現する
・最大の練習は、生の輝きを見つけること

出口の担当編集者である綿谷さんは、
「本書は出口先生が約2年にわたり、執筆しては書き直し、また執筆しては書き直しと、納得のいく内容になるまで何度も書き直しをされて完成した一冊です。

これまで参考書を中心に700万部の本を読者に届けてきた出口先生の、まさに「集大成」といえる一冊になっております。

いま日本に本当に必要なものは「日本語」ではないか、という出口先生の熱いメッセージを届けるに留まらず、読むだけで誰でも「美しい日本語」が身につくよう、厳選した61の練習問題を掲載しております。」という。

著者の出口は、
「日本語は和を尊ぶ言葉であり、相手との距離を測り、円滑にコミュニケーションを取ったり、微妙繊細な心を相手に伝えたりすることができる、世界まれに見る美しい言語です。

誰もがこの日本語の美しい使い方を身につけたら、日本はどんなに素晴らしい国になるでしょう。

そんな願いを込めて、本書を執筆しました。」という。

私たちBURNING MINDでも、一番大事なものは「エートス」、その人しかない人間的魅力と常に説いている。

エートス」の源泉は、まず言葉であり、日本で生まれ育った我々は「日本語」という言葉に今こそ原点回帰せねばならない。

最後に、出口と電話で話した時の最後の言葉。

「表紙カバーの見返し部分に書かれているフレーズが、お気に入りなんだ」


今週から全国書店で発売。

森本リュウ